万里の長城 2019 1 12
日本でも、トランプ大統領が主張する「国境の壁」の建設が、
国際ニュースで報道されています。
トランプ大統領が言う「壁」とは、
東西ドイツを隔てていた「壁」ではなく、
中国の「万里の長城」のことでしょう。
「万里の長城」とは、秦の始皇帝が築いた「壁」のことで、
北方の異民族の流入を防ぐためでもあり、
一種の経済対策の一環でもありました。
これは、公共事業のような側面があり、
現代風に言えば、ケインズ政策のようなものでした。
そういうことを考えれば、
「小さな政府」主義者が多い共和党は、壁の建設に反対すべきで、
「大きな政府」主義者が多い民主党は、賛成すべきでしょう。
しかし、現状は、逆となっています。
これは、「党利党略」が原因でしょう。
私は、「国境の壁」の建設には賛成です。
私の記憶が確かならば、
2016年12月頃、日本のテレビ局が、
アメリカとメキシコの国境について、
テレビ番組として制作したのですが、
当初の計画では、メキシコ側から国境を見るという企画だったのですが、
日本のテレビ局は、途中で計画を断念せざるを得なかったのです。
メキシコ側の治安が悪く、危険だったからです。
結局、番組は、途中から、
アメリカ側から国境を見るという企画に変更されました。
日本のテレビ局は、世界の果てまで取材に行くことが多いですが、
途中で断念せざるを得なかったということは、
よほど治安が悪かったということでしょう。
さて、日本の国際ニュースでは報道されませんが、
国境を越えてアメリカへ流入する「不法移民」が多いということは、
労働法上の問題があると思います。
私は、アメリカの法律は詳しくありませんが、
「不法移民」ということは、労働法の保護がないと思われます。
そうなると、事業者は、このような移民を安い賃金で働かせることができるでしょう。
もちろん、不当に安い賃金でも、
貧しい国からやってくる「不法移民」にとっては、「高い」と感じるかもしれません。
しかし、これでは、アメリカの正規労働者の賃金を下押しする「圧力」となるでしょう。
Flyover country 2018 10 6
「超一極集中社会アメリカの暴走」(小林由美)という本には、
このようなことが書いてあります。
アメリカ国民は、富の集中や金権政治にうんざりしています。
労働者の味方だったはずの民主党が、
クリントン政権の頃から都市の進歩派富裕層を主要な資金源に取り込み、
彼らの利益を代表するようになりました。
アメリカは、Flyover country(上空を飛ぶ国)になって、
つまり、権力者も資金も、東海岸と西海岸を飛行機で往復するだけで、
その空路の下にある大陸中央部は、完全に無視され、馬鹿にされている。
中西部や南部の労働者は、生活困窮の原因をそのように認識していました。
(引用、以上)